京都に住んでいるお友達から届いた近状報告のお手紙には、大阪のベトナム料理屋さんでチェー(ベトナム版かき氷)を食べたということが書かれていた。“関西に来た時には、ぜひ一緒に行きましょう”という嬉しいお誘いの言葉も添えられて。
丁度去年の今頃はベトナムにいたのもあり、
この季節にはよくベトナムのことを思い出す。
地面を焼きつけるほどの強い太陽の光と暑さ、建物にまきついてしなだれている美しいブーゲンビリア、みずみずしい緑の葉、雨の音。バイクが風をきって勢いよく走る一方、たち並ぶ露店喫茶では現地の人たちがのんびりとコーヒーを飲みながらおしゃべりに興じている。台風の目の中のように、そこだけがゆったりと時間が流れていた。
うまく言えないのだけれど、ベトナムは私にとって特別な場所である。
特別によい出会いがあっただとか、これといった感動するお話なんてまったくないのだけれど。自分ととても近い存在にあるような気がして、”好き”よりももっと、それを越えた存在なのである。
もう7月。もう夏なのだ。
ベトナムコーヒーが飲みたい、チェーが食べたいと、本当にそう思った。