2017年1月1日、私はチリのビーニャ・デル・マールにいた。
旅の始まりの場所で、新しい年を迎えたのだった。
嬉しい気持ちと寂しい気持ちと、これからの旅のことを想って、頭の中がぐるぐると複雑な状態になっていたことだけはよく覚えている。
それから、ペルー、エクアドル、コロンビア、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、アメリカを旅した。
点と点を結ぶように丁寧に、始まりと終わりがはっきりとした旅だった。
帰国したのは、4月。横浜の実家を出たのは、6月。入籍をしたのは、8月。
自分にとって、本当に大きな変化があった年だった。
まず、まさか自分が結婚をするとは、昨年まで本当に夢にも思っていなかった。
それでも、ずっと一緒にいたいと、強く思う人に出会ってしまったのだ(気がついてしまった、という方が言い方は正しいかもしれない)。
先のことは本当に分からないし、もちろん不安はあるけれど、それでも”今の”私の選択は間違ってはいないと、そう思いたい。思いたい、というよりも、思う。
名字が変わった時(いや恐らくそれ以前から)、脱皮をするように、過去のもろもろを捨てた。以前のような旅はもう出来ない。観る景色も、撮る写真も、紡ぐ言葉も、変化したし、変化していくと思う。
でもそれでいい。
変化を恐れてはいけない。
変化した2017年のこと、私はきっとずっと忘れない。