旅をした日

 

……もう、いいや!行っちゃえ!」
と。船に乗ってやって来たのは、韓国・釜山。

諸事情があって、作品作りなどもろもろをずっと放置していて、
それらを、まぁ、改めて放り出して来たわけだ。

どこかに行きたくて、でもそんなに遠いところまでは行けない。
行ったことないけれど、行ってみたかった場所。

6年ぶりの1人旅。
少し不安だったけれど、3日目からはすごくすごーく楽しくて楽しくて仕方がなかった。

目にする、飛び交う、韓国語はもちろん分からない。
だけど、分からないからよくて。

どことなく日本に似ていて、匂いも不思議と日本に近かかったように思う。でも異国に来たんだな、とじんわりと感じて、そしてそう思う感覚が本当にとても久しぶりで懐かしかった。

活気あふれる魚市場、屋台の呼び込み、おいしいごはん、きらきら煌めく海、夕方の心地よい橙色の光、やわらかい風、少しずつ暗くなっていく空、屋台の煙、灯り、匂い、人の笑い声。1日が終わるのがとても名残惜しくって、宿に戻るのがもったいなくって、日が暮れてもずっと歩いていた。

本当に来れてよかった、と心から思った。
そして、旅をすることはやっぱり自分には必要不可欠だということも悟った。

 

もう少ししたら、私自身、復活できるだろうか。