天国のスープのはなし

 

トルコでよく食べていた ” チョルバ ” 。

チョルバはスープのことで、大抵どのロカンタ(食堂)にもある。

値段は3リラからあり、日本円で約200円ほど。プラス、嬉しいことにパンは無料で出てくる。お財布にも優しいし、心も体もほっと温まるので朝食にはもってこいなのだ。

イスタンブールに滞在中、朝食はいつも宿からすぐのロカンタでレンズ豆のチョルバを食べていたのだけれど、時々 夜にも食べることがあった。

ある日の夕方5時、イスタンブール・カラキョイのカフェやバーが並ぶところを歩いていると、小さなロカンタが目に入ったので、そっと中を覗く。丁度お客さんもいなかったので、中に入ってみた。

スープが5種類あるようなのだけれど鍋の蓋が閉まっているので、いつもの指差し注文ができない。すると、お店のおじさんはそれを察したのか、にこりと微笑んでひとつひとつ鍋の蓋をあけて説明をしてくれた。

迷った末、キノコのチョルバを注文。

大きな器に、なみなみと注がれたチョルバ。

こくのあるまろやかなミルクスープにキノコのプリプリとした食感。口に入れて、んん!っと思わずうなってしまったほど、美味しい。さすが、5リラだけのことはある!今思い出しても涎が出てしまう。

その日、私は同じチョルバをおかわりしてしまったのだった。

明日も明後日も、明々後日も食べたいと思ったけれど、イスタンブールを出る日は明後日。もう少し早く見つけていれば、なんてちょっと後悔。またイスタンブールに来るならば、きっとまたこのロカンタには来るだろう、というくらいにお気に入りに。

なんて言ったってお店の名前が、”HEAVEN CHORBA”。

” 天国のスープ “なんだもの。

どうりで、美味しいわけだわ。