彼女とごはんと私と

  幼い頃の私にとって、家でのごはんの時間というのは、苦痛であり恐怖そのものだった。 出されたものを誰かが口に入れて飲み込んだのを確認してから、私も口に運び始める。 食器の音さえ響かせてはいけないようなシンと張り詰めた空気が流れる食卓で、母、姉、弟と私で会話をせずに淡々と食べる。実に閉鎖的な食卓。 私は食べ方...

わたしの神さま

  パン屋さんで働くあの子が、幸せな気持ちで働いていることを祈っている。 本当においしそうにごはんを食べるあの子が、今日も”おいしい”と言ってごはんを作って食べて元気でいることを祈っている。 真剣に写真と向き合っているあの子も、人のこころをあたたかくしてくれる絵を描くあの子も、編み物大好きなあの人も、3匹の猫...

ばななはおやつにはいるのか?

  ペルーからエクアドルまで抜ける道は、まるで天国だった。 前を見ても、右を見ても、左を見ても、ばなな・バナナ・BANANA…!ばなな畑がずっとずっとずっと続いていたのだ。私はバスの窓にぺったりと顔をつけて、じっとその夢のような景色を眺めていた。 – 秋晴れが続いているここ数日。食欲の...