夢の中の窓

 

小さい頃は追いかけられるという同じ夢しか見なかったのに、最近はバリエーション豊かな夢を見るようになった。

多いのが窓から外を見るもの。

1つはこの前ここで話したカッパドキアとダージリンのまじった雪景色。そして、この間見た夢はイスタンブールだった。

木造の小さな本屋さんの2階に宿があって、私はそこに泊まっていたようで、壁一面の窓からは海とモスクが見えた。小さな部屋をくるりと見回すと大きなダブルのベットがほとんどを占めていて、その他小さなサイドテーブルとタンスがあるくらいだった。再び窓の外に視線を戻すと、下の本屋さんオーナーの娘さんがひょっこりと顔を見せた。とても美人で黒のライダースジャケットが似合う彼女。「Hey!」と一言挨拶をして、彼女は同じく黒いライダースジャケットを着た恋人と腕を組んでどこかに行ってしまった。

何かの気配があって窓の外に上半身をのり出して左を向くと、まるで本屋さんの主のようなふさふさした毛並みの白い猫がいて。チッチと呼んでみると、大きなあくびをしてから、ぬくっと立って私の目の前をゆっくりとしなりとすりぬけてっいった。

それからぼんやりと、しばらく町並みを見下ろしていた。そんな夢。

そういうふうに美しかった夢のことを忘れないように書き留めている。

その時居た、部屋の間取りも一緒に。

もうひとつ、夕焼けと風が気持ち良かったプラハの夢はまた今度。