いつかのどこかのあの人

 

勝手にWEBに載せてしまってごめんなさいだけれど、ブエノスアイレスでの一枚。大好きなパン屋さんの写真を撮ろうとして、写り込んだの女の子。イタズラでカメラの前に立ってきたのだけれど、この写真はなんだかんだで好きな一枚なのである。

旅先で私はとにかく公園とベンチさえあれば(そしてそこに日が当っていればなお良し)そこに座って、ただただそこに居る人たちの姿をぼんやりと眺めていた。

思えば、ベンチに座っていた時によく色々な人が話しかけてくれたように思う。現地の言葉をほとんど話すことが出来なかった為、会話という会話はあまり出来なかったけれど、それでも身振りや手振りで自分の事や相手のことは少しだけ分かった。そして少しだけ話をすると、皆必ず最後にニコリと笑って、そしてふわっと余韻だけを残してどこかへ行ってしまった。

旅をした記憶たちが濾過されて、最終的に残るのは不思議とそういう記憶だったりする。もう数年も前のことなのに、しっかりと顔も思い出すことだって出来る。

あの人は元気だろうか、元気であればいいなと願ったりする。

そのいつかのどこかのあの人たちのお話も、また今度別の機会に。