年末から4カ月少々。
チリ・サンティアゴから始まった旅は、アメリカ・サンフランシスコで終わりを迎えた。
ほとんどが初めて訪れる場所で、刺激的であったし、楽しかったと言えば楽しかった。
それでも、もう以前のような旅は2度とできないのだと、悟った旅だった。
以前は肌に触れる空気や匂いを体全体で感じて、自分のまわりにふわふわと浮かんでいる感覚を掴んで、自分の中で濾過して言葉にできていた。
それがうまくできなくなっていた。
要因は、はっきりと分かっている。
旅をする時に、独りではなくなったから。
正直なところ、目の前のことよりも、日本にいる大切な人のことばかり考えていた。そうして、ほとんど旅に集中できなくなっていた。
それをずっと感じていて、自分自身、本当に随分と落ち込んだ。
それでも、私のことを大切に考えてくれて、日本で待っていてくれているという人がいるということは、本当にとても幸せなことで。
そして、私のこの大きな人生の中で考えると、悪いことでは全くないのだと、本当にそう思うのだ。
それに、またいつかきっと、もっとよい旅ができるかもしれない。
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私は今、新しい場所で、新しい生活を始めている。
その話はまた今度に。
※写真はチリ・ビーニャデルマールにて