重いカーテンを開けたら

 

寒さを感じて、目がさめた。
霧のような冷たい湿っぽさを感じ、

すぐに自分の部屋ではないと気がついた。
薄暗い室内。汚れが染み付いた絨毯。
何もないだだ広いガランとした部屋の真ん中に、
古い木製の二段ベットのが一つ置かれていて、
そして私はそのベットの下の段に寝ていたようだった。

重そうなグレーの色をしたカーテンが外からの風によって、
パタパタと動いている。少しだけ見えた外の景色は真っ白だった。
どうりで寒かったわけだ、と思いながら体を起こした。
古いベッドがギシリときしむ。その時々見える光を頼りに、窓へと向かう。

カーテンをつかんで、そっと開ける。眩しくて少しだけ目が眩んだ。
それでもその一瞬で、ここは標高の高い場所で、
古いホテルの最上階の五階だとなんとなく分かった。
次第に目が明るさに慣れて見えたのは、
真っ白な大粒の雪がしんしんと降る景色だった。

思わず出た感嘆のため息がふわっと白く舞って、
そして静かにゆっくりと空気の中に溶けていった。

場所はインドのダージリンのような山間なのだけれど、
人や近くの様子はトルコのカッパドキアのあの岩山だった。
(でもやっぱりダージリン色が強い)近くの小学校の子供達は雪だるまを作って、
キャッキャとはしゃいでいた。そしていくつもの窓から、
いろんな人がにょきっと顔を出して皆幸せそうに雪を眺めていた。
どこからか、わっと歓声が聞こえてきたので、
ずいっと体を窓から乗り出して左を向くと、
たくさんの人たちが同じように今年一番の幸せというように、
本当に本当に嬉しそうに雪を眺めていた。

私もそれを見てなんだか心の底からとてもとても嬉しくて、
パジャマでおまけに裸足なのも気にしないで、
その部屋(宴会場に使いそうな大きな大きな部屋で一面ガラス窓)へ向かった。
そこにはたくさんの人が白い息を吐きながら、雪に喜んでいた。
私は目があったペルー人のような女の子とキュッとハグをして
、ほっぺにキスをして、チャオと言った。
それから私はまた雪を眺めて、お祭りのようなその空気を楽しんだ。
という、なんだかとても幸福な夢を見た。_2013/09/08 夢日記より