会社へ向かう電車の中で、私は13歳の頃の自分を思い出そうとしていた。
けれども思い出そうとすればするほど、今の自分とはかけ離れた遠い存在のように思えてしまった。そして、ただただ全てに関して脆いなと思った。
きっとそう思うのは、私はもう13歳の少女ではないからなのかもしれない。
何故思い出そうかと思ったかというと、GW連休の最後の夜に”thirteen”という映画を観たからというとても単純な理由からなのだけれど。10年ほど前の映画で、簡単にあらすじを書くと、13歳の女の子が段々と悪に染まっていくというもの。映画の中の少女は、舌にピアスを開けて、タバコを吸って、お酒を飲んで、狂ったように怒って、笑って、泣いて、常に不安定だった。
“13歳の少女”とは、一体何なのだろうと彼女を見て改めて思った。
私の人生の中でも13歳という年齢は最も不安定で、それでいて良くも悪くも好奇心に溢れていたように思う。本当に些細なことで感情がグラリと様々な方向へと傾く。積み重なったものを簡単に弾いて、崩すことが出来た。自分でも他人からでも。
映画を流しているうちに、なんとなくその頃の自分を見ているように感じ、ぎゅっと苦しくなった。(彼女と同じようなことはしなかったけれど、感情の矛先をどこに向けていいか分からない感じが)
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What are you doing here,honey?
You’re not even old enough to know how bad life gets.
[なぜこんなマネを?まだ人生のつらさも知らん若さで]
Doctor,You’ve never been a 13-year-old girl.
[だって先生は13歳の女の子じゃないもの]
これは Sofia Coppola 監督 の”The Virgin Sucides”のワンシーン。
自殺を試みた13歳の少女と、自殺の理由を聞いた医師との会話。
その答えが全てなのではないだろうか。
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私はもちろん13歳という年齢に戻ることも出来ないし、戻りたいとも思わない。
それから、13歳だった頃のような自分には決してならない。
それで良いのだと思う。