渋谷駅のホームで電車が到着したと同時に、並んでいた私の前に立って一番最初に電車に乗り込んだサラリーマンを見たりすると、 “ああいう人になったならば、人生は少しは楽になるのだろうか”と思ったりする。 思ったりするだけ。 私はそんな人間には決してならないと心に誓うのであった。

密かな計画

  あと2度(多分)大きな旅行をしたら、1人暮らしをしようと密かに計画している。 古い喫茶店があって、公園があって、図書館があって、そして、川がある場所。 その場所を私は知っていて、きっとこの辺に住むだろうということも思っている。 部屋は日当りが良ければ良い、街の音が聞こえる場所であればより良し。 旅行をする...

ソラリス・ソラリス

  雲がひとつもない秋の午後。 とても心地良い日だと思って、コーヒーと、小さなドーナツを買って食べた。子供が裸足で遊んでいる公園のベンチで、夕方の穏やかな光に当たりながら。 それから真夜中にタルコフスキーの映画を2本観て、ほろほろと泣いた。泣いてしまうような映画ではないはずなのだけれど、息を飲むほどのあまりの...