湯船の中で

 

先週はずっとこころがざわついてた。

いらいらしたり、訳もなく悲しくなったり、いつもは不満に思わないことも、不満に思ったり。口から漏れるのは負の言葉ばかり。

いったいどうしてしまったのだろう。いつでも、穏やかでありたいのに。

そんな気持ちを洗い流すように、昨夜 久しぶりに家の近くの銭湯へ向かった。

小さいけれど、掃除がいき届いていて、大きな植物がある銭湯。

丁寧にゆっくりと、髪と体を洗ってから湯船へ。毎週土曜日はレモン風呂で、湯船には綺麗な黄色のレモンがプカプカと浮かんでいた。

とぷんとすっぽり首までお湯に浸かったら、先に浸かっていたおばあちゃんと目が合って、お互いにこにこしながら何度もゆっくりと大きく頷きあった。頬が綺麗な淡紅色に染まった、とても愛らしいおばあちゃんだった。

そうしたら、じんわりと嬉しくなって、とても幸せな気持ちになって、一人になったときにほろほろと泣いてしまった。そうして、しばらくは目を閉じたまま、ただじっとしていた。

体が芯まであたたかくなったのを感じてから、湯船を出た。

少し体を休ませてから、湯冷めをしないうちに服を着て。銭湯のおばちゃんに”おやすみなさい”の挨拶をして銭湯を出る。

ふわふわと1センチ浮いているような気持ちになりながら、家に帰った。

寝る準備は家を出る前に済ませていたので、あとはパジャマに着替えて、髪を乾かすだけ。乾かしている間にお湯を沸かしてお茶を入れる。こころもからだもポカポカとしたままお布団の中へ。

部屋の灯りを落として、お茶を飲みながら映画を観た。

心地の良い疲労感。映画を観ながら眠りに落ちていった、とても素敵な夜だった。