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  少しずつ少しずつ、休日がくる度に昔のものを捨てるようになってきた。 昔描いたデッサンだとか、クロッキー帳だとか。たいした重みはないけれども、 確かに自分のやったことがきちんと積み重なった形跡を見た気がした。 クロッキー帳やデッサンは、一枚一枚じっくりとそれを確かめた後、処分した。 先週捨てたのは、色見本帳...

いつかの日曜日

  休日の朝。 駅近くのパン屋さんまでライ麦パンを買いに行く。 私はいつもぽかぽかと日の当る土手沿いを、てくてくと歩いて行く。 駅近くの土手沿いは芝生になっている。 そこにさしかかる時、私はいつも泣きそうになる。 だって、何だか幸せがあふれているのだもの。 お目当てのパンを買って、コーヒーを買って、飲みながら...

重いカーテンを開けたら

  寒さを感じて、目がさめた。 霧のような冷たい湿っぽさを感じ、 すぐに自分の部屋ではないと気がついた。 薄暗い室内。汚れが染み付いた絨毯。 何もないだだ広いガランとした部屋の真ん中に、 古い木製の二段ベットのが一つ置かれていて、 そして私はそのベットの下の段に寝ていたようだった。 重そうなグレーの色をしたカ...